「音読しないと気持ち悪い」という境地に

大妻中学高等学校

設立から102年の伝統を誇る大妻中学高等学校。常に激しい変化を続ける現代において、主体的に、そして積極的に行動する女性を育んでいます。英語では、文法や語彙力を培う丁寧な授業をはじめ、発音練習や音読といった「声を出す」学習に取り組んでいます。リピートークを導入して3年目を迎えた同校。継続利用によるリピートークの価値や生徒の変化について秋山先生にお話を伺いました。

導入前の課題
  • 自宅での音読やシャドーイングは、実際に行っているか、どのようにシャドーイングをしているのかが把握できない
導入の効果
  • チェック機能を通してフィードバックができるようになった
  • リスニングに加え、音読・シャドーイングをすることに違和感や抵抗感を持つ生徒はほとんどいなくなった

無料トライアル実施中

対象: 高校1~3年生
教材: CROWN

3年間の継続利用で「なくてはならない」存在に

リピートークの利用は、私が担当している現高校3年生が1年生の時からなので3年目になります。2年生までは、教科書の進捗にあわせた音声提出を義務付けていましたが、現在は高3ということもあり、自分に必要な勉強をしてほしいという観点から強制はしていません。ただ、私のテストは教科書の長文に即した問題が出題されますから、本文の音読・シャドーイングがテスト対策として一番効果的です。生徒もそれが分かっているので、テスト前に授業で扱った長文を覚える手段としてリピートークを使っています。そのため、私がうっかりリピートークのレッスン追加を忘れると、生徒からとても怒られるます。「早く聞きたいから、早く対応してくださいよ!」って(笑)。リピートークを利用している生徒は全体の約6割くらいでしょうか。必要だと感じている生徒が、自主的に判断し、使っている印象です。

導入以前より、リスニングの強化には、ディクテーション・音読・シャドーイングをセットで練習することが最も効果的だと考えているので、音読は必ず取り入れたい要素でした。ただ、自宅での音読やシャドーイングは、実際に行っているか、どのようにシャドーイングをしているのか、といった管理を教員ができません。そのため、リピートークを導入するまでは「音読は授業でやるもの」という認識でした。

しかしリピートークであれば、音読はもちろん、シャドーイングの管理までできるので本当にありがたいです。生徒にはずっと音読の重要性を強調し続けてきたこともあり、以前はテキストを見ながらシャドーイングする生徒が多かったですが、教科書を閉じて行う生徒が増えてきています。生徒の音読への取り組み方が変わってきていると感じますね。今ではレッスンの冒頭で生徒の発音チェックを行い、「あとはリピートークをやっておけよ」と言うだけで次に進めます。リスニングの練習として、音声を聞くことに加え、音読・シャドーイングをすることに違和感や抵抗感を持つ生徒はほとんどいないですね。

今の生徒たちにとって、「CDを聞く」という行動はものすごくハードルが高いようです。テキスト付属のCDはまず聞きません。かと言って、スマホで聞ければ何でもいいというわけでもないんです。例えば、音源をダウンロードしてスマホで聞く他教材がありますが、生徒の様子を見ていると、それも利用していないようです。「CDをオーディオ機器にセットする」「ダウンロードをする」というステップが大きな手間に感じるようなんですね。

その点、リピートークはアプリを開けばそこに音源があり、すぐに再生できる。それがとても使いやすいようです。生徒からもよく「もうリピートークがないと英文を覚えられない」と言われます。さらには「リピートークでテキストの音読をしないと気持ちが悪い」という境地にまで達した生徒もいます。本学年にとって、リピートークは「あると助かるし、ないと困る」存在になっていると思います。


「完璧主義の呪い」を脱するきっかけにも

 一方で、リピートークは細かいところが気になる生徒にとっては、使い始めの精神的な負担が大きいかもしれないですね。私の学年でも始めた頃は、完璧主義というか、「全てをきちんとやりたい」という真面目な生徒ほどなかなか提出できませんでした。

 「途中で少しつっかえてしまいました。大丈夫ですか?」とか「提出したけど、納得ができないので返してください」と、すごく不安そうに相談に来る生徒が何人もいたんです。確認してみると、そういう生徒の学習時間が70分~80分にもなっていて驚いた記憶があります。あと、リピートークは自分の音読した音声を聞かなければいけないので、それを嫌がる生徒もいましたね。

ただ、いずれにしても最初だけでした。「そこまでしなくていいよ」「大丈夫だよ」と言い続けたところ、生徒も次第に落ち着き、慣れていきました。今では「先生に声を聞かれるのが恥ずかしい」とか「完璧じゃないから提出できない」といった心理的ハードルはほとんど感じていないようです。


シャドーイングのその先へ

リピートークを使用することで、音読・シャドーイングが定着し、生徒の音読時間は確実に伸びました。音読がかなり身に付いている生徒には、「ディレイド・シャドーイング」を勧めています。通訳のトレーニングで使われる、音声を聞いた後に少し遅れてシャドーイングする方法です。生徒もやりがいがあるようで、頑張ってチャレンジしてくれています。 

今後はこのように、超上級者向けにディレイド・シャドーイング、上級者にはシャドーイング、中級者にはオーバーラッピングなど、生徒の状況に応じて、やりがいがあるように音読の設定に変化を加えるのも面白そうだと考えています。 

これから共通テスト演習などが増えていきます。一生懸命、リピートークを活用し、音読・シャドーイングの土台ができている生徒たちがどのような結果を出すのかとても楽しみにしています。

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